コラム

「いい家」とは?

2011/8/15

 あなたは自身、“いい家”とはどんな家か考えてみてください。
おそらく大半の人は住宅の持つ性能が高性能なものや精巧な造り、高いデザイン性等でどれも価格が高いものを思い浮かべる人が多いと思います。
もちろんそういった「物」の考え方もあると思いますし、それを造ることは私達にとって簡単なことです。
しかし、私達が考えている“いい家”にはもう一つあります。
それは、あなた自身やその家族にとって居心地のいい家かということで、これこそが重要であり、 “住宅を建てた後で失敗しない家造りのキーワード”となります。

■自分達にとっての「いい家」  

例えば以前に、景色がよく眺めのいい場所で新築の計画があり、「お風呂から景色が眺められる大きな窓が欲しい」と要求したした人がいました。
ここで問題になるは北海道の冬の寒さへの対策ですが、通常のガラスでは冬場は浴室が寒くなってしまうのは当然なのですが、 断熱性の高いガラスにする予算も無かった為に他の建築屋さんではやめたほうがいいと言われたそうです。
しかし私たちは寒さに対して十分説明した上、あえて窓を付ける事を勧め、 結局この建主は「やっぱり景色を眺めながらゆっくりお風呂に入っていたい」と多少の寒さは覚悟の上、お風呂に壁に大きなガラス窓を付けました。
案の定、冬のお風呂場は多少寒い気もしたのですが、この建主自身やその家族は景観を重視した方がやはり良かったとその後も大満足で、寒さに関しては 「確かに風呂場は多少寒い気がするけど、別にお湯の中に入ると暖かくて気持ちいいので私自身はあまり気にならない。家族も夜には室温が多少低くなるし外が見えないので、なるべく日中や夕方 お風呂に入って工夫しながら景観を楽しんでるみたいだよ。」と笑って言っていました。
実は全てが完全でなくてもこのお客様本来の要求に対しての満足感こそ「心地よさ」や「いい家」につながるもので、もし壁にガラスをつけなければ「暖かさ」は付けた方に比べて多少確保できたでしょうが、 本当の意味での満足は半分も得られず、後悔していたのではないでしょうか。

■「いい家」と「欠陥住宅」は紙一重

この家族にとっては「いい家」として成功しましたが、しかし一歩間違えれば欠陥住宅と言われてしまう危険性もあります。
なぜなら違う家族がお風呂場にガラス窓を要求したとして、考え方や説明が不十分であれば「寒くてお風呂に入りずらい家」と言われてしまうからです。
この例に限らず、ここが本当にその人や家族にとっての「いい家」を造る難しさがあり、欠陥住宅として造っていないのにそう言われてしまう建築屋さんも少なくないのではないでしょうか?
その為“危ない橋は渡らない”的な考えの建築屋さんも多く、どの家も似たり寄ったりの家になってしまうのです。

■古い家でも「いい家」はたくさんある。

 また、「いい家」とは新しい家やリフォームされた最新式な家に対してのものだけではなく、古い家でもたくさんあります。
歴史を感じる飛騨の合掌造りの家や、農村などで見られる小民家等はそのいい例でしょう。(右図参照)
隙間風が入るような古く寒い家でもそれを本人達が「家が古くなったからしょうがない」と必然的なものと受け止め、 不自由がなければ、「いい家」のままであるわけで、あえて高いお金をかけなくてもいいのです。
 こんな事から私たちは家が古いからといって無理に建替えを勧めたりはしません。
そこで不自由なく幸せに暮らせていればその人や家族にとって本当の意味での「いい家」なのです。