コラム

「職人のひとりごと」

2011/11/15

「価格」

■注文住宅に坪単価?
 いや~っ、最近の住宅を考えている人達はすぐに「おたくは坪いくらで建ててるの?」なんて言うもんだから結構困っちゃうんだよな~…。
まあ、広告やテレビのCMなんかで多く坪単価で表現してるからしょうがないと言えばしょうがないか…。
そもそも注文住宅の場合、その人や家族に対して一番ベストな建物を造り上げるものだから、一人ひとりの服の好みが違う様に、 建物のデザイン、間取り、予算等が違ってきて、実際のところ一概には言えないものだし、「当社は坪○○万円です。」なんて簡単に言ってしまうところは はっきり言ってそのお客さんの事まったく無視していて、後でトラブルの原因になる。
だから自分達は、「すぐに引っ越して住める状態までとして、注文住宅の場合平均で坪5~60万円位の予算で造るお客さんが多いですよ。」なんて、ものすごく回りくどい言い方になっちゃうけど、しょうがなく言ってるよ。

■坪単価の「からくり」
この坪単価について知っている人もいると思うし、いまさらと思うかもしれないが、一応話しておこう。
よくチラシや新聞広告で出ている価格の下に小さく「○○坪の総2階建で計算しています」とか書いてあるけど、 これは建築を知らないお客さんにとっては何のことかよくわからないと思う。
実はこれには種明かしが必要で、一般に坪単価とは建築にかかる費用を建物の大きさ(坪数)で割って計算しているのはわかると思うが、 これは建物が大きくなると、もちろん材料や手間賃も増え、大きさに比例してくるけど、その中には建物の大きさでは変わらない物がある。
それは何かというと、ユニットバスやシステムキッチン、洗面化粧台、便器や手洗い器、玄関収納等のいわゆる住設部品がそうで、その他にも暖房や給湯機器等々数えだしたらたくさんある。
また、電化住宅では分電盤や引込工事なんかも住宅の大きさには関係なく費用がかかるもので、これらは金額の張るものばかり。
これらはなるべく大きな数字で割ると当然答えも小さくなるから、大きな坪数で割ると低い坪単価となるわけ。
仮に計算してみると、建物の大きさに関係ない物の合計が300万円位だとして、20坪の家だと坪15万円にもなるが、 60坪だと5万円にしかならず10万円の単価の差がでてしまうことになる。(下図参照)

つまり、坪数が20坪の家も60坪の家も、等しく金額がかかるものがあるので同じ単価であるわけがなく、 大きな建物になるほど坪単価も安くなっていくのが自然なのだ。
良心的な建築屋は実際に多く建てられている40坪以下を基本に計算してるみたいだけど、なかには50~60坪、 ひどいところで70坪なんて大きな家で計算して「安さ」をアピールしてるところもあるが、これは安くなって当たり前。
また、「坪単価」というものに対して何も基準が無く、建築屋によって設定が違っているのが現状で、 一般的には屋外給排水設備(わかりやすく言うと、建物外部の上下水道の配管工事)とカーテン・家具類等がその坪単価の中に含まれていないのは多いが、 会社によっては他にも便器がオプションだとか、北海道の場合は暖房が必ず必要なのにそれもオプションだったり、 その他にも照明器具とか、細かいことを言ったら押入れの棚までなんて事もある。
だから「坪いくら?」という質問に対して建築屋によってまちまちなので、細かいところまでしっかり確認しておかないと後々トラブルになってしまう。 だけど自分だったら「坪いくら?」と聞いて、業者の人に「○○万円で、できますよ。」と言われたら、それで全部できると勘違いしてしまうし、 実際にそういう人たちをたくさん見たり聞いたりしてきて、「最終的には○○○万円追加になって高くなってしまった。」なんて事もよくある話。 こんな事いつまでも言ったりやったりしてるから「最近の建築屋は信頼できない」とか後で「騙された」なんて言われちゃうんでないのかな~…。

■「適正価格?」
 最近では、注文住宅でも「適正価格の坪○○万円!!」なんて「適正」と言う言葉の表現を使って「流通カット」や 「自社施工」、更に「営業経費削減」等を主張して「うちは安いですよ!」なんてアピールして、今迄の他の会社のやり方が「適正でない」かの様な 事を言っているところもあるけど、そもそも「適正価格」ってなんなんだぁ~。

“企画型住宅”の様に形や大きさ、デザインや中身の仕様まで全て同じであれば同じ金額になるのは当然だけど、 その企画住宅でさえも建てる敷地に高低差があったり、敷地が狭い等の立地条件次第では金額が当然変わってくるし、他にも細かく言えばたくさんある。
例えば基礎を造る際、北海道の場合は“凍結深度”というものがあり、地盤を深く掘り下げる為に掘削した土の量も多くなる。
この土を工事敷地に堆積できれば埋め戻す際にそのまま使うことができ、価格への影響も無い。
しかし、建替えの場合庭があるなどの、その土地に余裕がなければダンプ等を使って土を一度全部違う場所まで運び出し、更に埋め戻す際 にはまた土を運び入れなければならない。
こういうことはよくあることで、金額に換算しても結構違うものだし、場所によっては他にもまだある。
つまり私が思うには「適正価格」の「適正」とは、実際にかかる材料費や労務費等を一つ一つ拾い出して見積し、それをお客さんに 納得できる説明も加えるというすごくシンプルなことで、“透明性のある理にかなった正確な価格”なんじゃないのかなと思う…。

「質」

■住宅の質はつくる人間の質で決まる。
住宅に限らず誰でも買い物をするときは「いいものを安く」と考えている。
中にはブランド名だけで「品質には間違いない」という観点から予算やデザインを考慮して買う人もいるけど、 住宅の場合、建売などは別として、これからつくる目に見えないものを購入する時は、何を基準に考えたらいいのか難しいと思う。
人によっては価格で判断したり、デザインや間取り等のプランで決める人もいれば、営業の人が気に入ったなんていう人もいるが、 本当に「いい買い物」をする上で判断しなければならないのは住宅の「質」そのものだと思う。
住宅の場合「質」に関していうと、機械ではなく全て“人”によってつくられるわけだから、一人ひとりの能力によるものだし個人差も生じる。
いくら大きなハウスメーカーやゼネコンでも、腕のいい大工や技術者ばかりを雇ったり、依頼する事は実際不可能に近い。
また、よくツーバイフォー等のパネルを作っている会社で、「工場で製作しているから品質が均一で安定して良い」等と、まるで車を機械 で造っているのと同じ様な事を言っていたが、現実には現場ではなく工場で人が作るというだけで、すべて機械で作っているわけではない。
それをカバーする上で近年、加工精度の高さと、工期短縮によるコスト削減、大工不足の解消と言う点から、在来工法の骨組みとなる構造体を、 工場で機械による加工をするプレカット方式を採用する企業が多くなった。
しかしこれは簡素な造りの建物であれば全て機械で行なえるが、ちょっとこだわった難しい建物や作業になると機械では難しく、工場内で大工さんが墨付けや加工をしていることもあるのが現実で、人の力に頼らなければ完全にはできない。
更にいくらコンピューターでも、そのシステムに1棟1棟入力するのは人間だから間違える事もある。
当然間違えたらやり直せば良いと思われるが、これは実際に現場で組み立てて見ないと気づかない事が多い。
加工だけ契約した工場は組み立てを行なわないので、組み立てを請け負った大工さんが建てて始めて気が付くのだが、 軽微な不具合であれば自分の仕事でないことも良心的にきちんと直してくれたりする大工さんもいる。 しかし、私が見たり聞いたりしてきたものの中には、大工の請負手間賃や工期が非常に厳しい事や、自分の責任で無い事の為か、他の人がやった後始末をする余裕や時間も無く、 加工業者へクレームをつけても暇だれを起こして時間のロスになってしまうので、その場しのぎの直し方で補修して工事を進めてしまっていて、 不具合のある箇所が隠れてしまってから現場の管理者が確認しに来たりしても、当然わかるはずがない。
こういった間違いを隠し、その場しのぎの補修をしてしまうと言う事が今話題の欠陥住宅につながるのだ。
人の手によってつくられる以上、手に持つ技術の他に、職人や技術者としてのモラルやプライドが問われる。
更にお客さん自身、一番大切な住宅の「質」自体が後回しにされ、見た目のデザインや価格だけを重視する人が多くなったのではないかと思う。
こんなことから「いい買い物」をするには他の人の話ばかりを当てにせず、お客さん自身の見る目も養わなくてはならない時代になってしまったのではないかとつくづく思う…。

■大工
昔と違い、今や大工はハウスメーカーや建設会社の下請けとなり、直接お客さんから注文を請ける事が少なってきてしまった。
その原因はやはり大手の「ブランド力」や「サービス(営業能力)」とか「信頼性」等だと思う。
大手ハウスメーカー等はブランド名を聞いただけで不思議と信頼性に対する安心感や、家に対するイメージが浮かぶ人も多くいる。
大工は技術職、いわゆる手に職を持った職人なので“口よりも手を動かすのが仕事”とされ、 営業的なものを苦手とする人が多く、企業の“営業戦略”にかなうはずもない。
こういうことから技術だけを売っていた大工達は、ゼネコン方式の会社の下請けになってしまう所が多くなり、 大工の労賃のみをその会社と契約する「手間請け大工」や工務店が非常に多くなったことも現実だ。
またこの「手間請け」なるものは会社側からしてみれば都合のいいやり方で、早く仕上げれば大工の利益にもなると言う口実だが、 実際にはなかなかそう簡単にはいかないし、利益どころか生活を守るのが誠一杯なのだ。
価格競争が激しい今の時代、会社も利益を守るのに必死で、当然下請けにその圧力がかかる。
大工の請負金額も又然りで、もともと労賃しか契約していないし、余裕のある金額で契約しているわけでもないので、 圧力がかかると直接生活に響いてくる。
だから一日あたりの日当金額を守ろうと毎日夜遅くまで残業したりしてカバーしてる人も多くいる状態なのだ。
しかし、中にはとにかく早く仕上げるのを優先し、近い将来クレームがこない程度の作業で、「質」など二の次にしてしまっている人もいる。
例えば釘を3本打たなければならない箇所を2本でやめるなどしてごまかす人や、粗雑な作業をする人も出てきてしまっているのも現実の話。
決して全てではないのだが、とにかく時間に追われ、作業自体も悪化してるところに限って会社は売れ、忙しいのがなんとも皮肉な話だ。

「耐震」について考えよう

2011/10/15

私達の住む十勝は幾度と無く大きな地震に遭い、言わずと知れた“地震多発地域”。
家を建てる際に、まず問われるのが耐震性が備わった耐久性能です。
近年、「地震に強い」というフレーズでツーバイフォー工法が多くなってきました。
しかしそれは、決して在来工法が地震に弱いからではありません。
各地で起こる大地震で倒壊する家の大半は古い家屋が中心で、当時は「耐震」という認識が薄く、基準も低かった為です。
その為今では建築基準法でも耐震基準が見直されましたが、大地震で起こる衝撃はいまだに計り知れないことが数多くあります。
ある大手メーカーでは“免震”や“制震”という工法を採用していますが、 とても我々一般の人たちが手の届く価格では無い為、まだまだ普及するには時間がかかると思います。
そこで私たちの考えている工法は、現在一般に建てられている在来工法とツーバイ工法を更に工夫・改良し、皆さんの手の届く範囲の価格で 最大限「丈夫で長持ち」できるものを提供したいと考え、「Neo在来工法」を提案しています。

「空間職人」て何?

2011/9/15

一人の人間が建物のすべてプロデュースして空間を造ります。

お客様との打合せや見積はもちろん、設計や現場管理、大工もしているので、「空間を造る職人」という考えで名付けました。

通常ハウスメーカー等に建築を依頼したときは、打合せは営業担当の人、設計は設計士さん、現場管理は会社の技術社員、施工するのは下請の大工さんやその他の職種の下請業者で家が造られます。

その為多くの人件費や、下請業者それぞれの経費が住宅コストに跳ね返ってきます。
しかし一人の人間が建物を全て取り仕切る事で最高のサービスと最大限の満足が得られる方法だと考えています。

「空間職人」を選ぶメリット

・設計者自身、大工や管理も行なう為に1棟あたりにかかるコストや経費が少なく、価格が低く抑えられる。
低価格のしくみを詳しく見る→
・お客様の意思や要望を様々な角度から提案でき、それが即そのまま現実の「形」として生まれる。
・経験だけに頼った技術ではなく、計算からくる理論を明解に自ら作業する為、「品質」を落すことがない。
・相互間(設計者~管理者~施工者)の意思や情報等の伝達によるトラブルが無く、品質が守られる。
・完成後、クレームに対して相互間の責任回避が無い。 そして何よりも私たちの手造りによる、
“「職人」としての思い入れや愛情のこもった家になる事です。”
(これってかっこのいい言葉のようだけど、手作り料理と同じように愛情が大切だと思いませんか?)